その日暮らし
仕事を退職してから1年半が過ぎた。
貯金も底をつき、現在は派遣アルバイトをしながら生活をしている。大学時代、サブプライムローンの破綻とリーマンショックによる景気悪化が大きな話題となっており、多くの派遣労働者が契約を切られるというニュースも毎日のように報道されていた。
当時社会学部に所属していたこともあり、大学の講義でも派遣切りの問題をテーマになぜこのような事態になったのか、構造的な問題、働く人の問題、カッコつけて社会学的にいうと、法則構造論的アプローチ・主体中心的アプローチ両面から学んでいた。
この問題の概要はさておき、私はなんとなく「将来の俺だな」と心に思いながら講義を受けていた。
それは今、現実となっている。
とりあえずは、なんとか生きようと思う
そのときなぜそんな風に思ったのか。それは今でもよくわからない。ただ、以前の職場でも同じように感じる出来事があった。
会社と同じビルにレストランも入っており、そのレストランの外には食料を廃棄する大きなダストボックスがあるのだが、それを漁りにくるホームレスが問題になっていた。特に同僚の女性社員は「汚い」といつも顔を歪ませ嫌悪感を滲ませていた。
私は「将来の俺だな」と心で思い、なぜその人がホームレスになったのか、どんな人生を送ってきたのか、そんなことが非常に気になった。
いつもそう思って生きてきたが、今まさにそんな暮らしの一歩手前まできている。
とりあえずは、なんとか生きようと思う。